近年では家でテレビを見ているときだけではなく、
ネット上での動画では、様々な映像を個人が発信する時代になっています。
その中で面白い映像を見つけた時には、
感想として「シュールな動画」という表現を使ったりすることがあります。
今では「シュール」という言葉を日常の中で使う人は
たくさんいますし、何らかの光景や体験をみたことによる
感想に使いやすい言葉として利用されていますね。
日常で使える言葉である「シュール」という言葉だからこそ、
この記事では意味や語源から正しい使い方までまとめていますので、
日常での会話の中で役立てていただければとおもいます。
シュールとは?どんな意味があるの?
「シュール」という言葉は、大体の意味を感覚的に理解して、
なんとなく使っている人も多いです。
大きな捉え方での意味として
「非現実的で奇抜な発想や表現を見た」状態を意味しています。
実際には起きている事だけど、
通常は考えられないようなユニークな表現や発想を見た時などに
使われている事が多いです。
・非現実的や非日常的な光景を見た時
・実際に起きているけど現実離れしたものを見た時
・常識的に考えると理解できないけど、ユニークなものを見た時
・理屈では説明できないけど、奇抜で笑える。
不思議で変わっている光景を見たり、
奇抜でユニークなお笑いネタを見た時など。。。
こんな時に日常で「シュール」すぎる!
といった表現を使ったりしますよ。
ただし、日本で使われているシュールという言葉は
フランス語が語源となる言葉の略語で使われるようになっていますが、
本来の意味とは少し違います。
シュールという言葉の語源は何?
「シュール」という言葉が使われるようになった語源は
シュールレアリスムという言葉です。
フランス語の言葉ですが、詩人であるアンドレ・ブルトンが
20世紀に提唱した芸術についての思想活動のひとつです。
普段から存在する風景と並べて非現実的な生き物を
一緒に書いたり、非論理的な表現を芸術の中で行うなどの芸術的主張です。
日本語に訳すと「超現実主義」という言葉になります。
現実には考えられないような
表現を芸術の中で行なう運動で多くの芸術家が影響を受けて
絵画だけではなく芸術の世界で多くの作品が生まれました。
超現実主義は現実を超えている上位の世界を意味していて
脳内で無意識に空想されたり、幻想として見ているものが現実と考える思想です。
日本ではカタカナ語として
「シュルレアリスム」が使われることもありますが、
このような夢や幻想的な現実世界を超えている表現をする
芸術家のことを「シュルレアリスト」と言います。
日本語として使われている「シュール」は
シュールレアリスムからの略語ではありますが解釈は少し異なります。
フランスで提唱されたのは
現実を超えている。現実としてはあり得ない世界観を表現する芸術活動です。
日本で一般的に使われているシュールについては
現実として起こっている光景や体験した「非現実的」な事に対して使われます。
その点で本来の意味と今多くの人が使っている
シュールという言葉は意味が違っています。
シュールの使い方
シュールという言葉は変わっている行動をしている人を見たり、
奇抜な発想で表現された作品や光景を見た時などに使わることが
ありますが、使い方として主な3つのシーンを紹介します。
シュールな光景
犬と猿がとっても仲良く常に一緒に過ごしている光景。
あんまり見たことがない組み合わせですが、
このような映像をテレビや動画で見たことがある人も多いはず。
警察の人がドラマのように、現実にあんぱんと牛乳を
飲んでいるのを見てびっくりした。
誰でも知っているような有名なキャラクターの
人形を使ってドラマや映画の名シーンを人形劇で再現された動画を見た。
子供が犬のお世話をしていた時に
つまずいて犬の飲み水がたくさん入った器におしりがハマってしまった。
このような光景を見たときには
非日常的で驚いたり、奇抜すぎてクスっと笑う人が多いので
見た人が「シュールな光景だ」と言ったりします。
シュールな人
人物でシュールというと見た目や話し方などに
特徴がありすぎて不思議な人や変わっている人を見た時に使われることがあります。
例:
アニメのコスプレをしている人で
全然似ていない人を見て、全然特徴がつかめてなくてシュールだね。
例:
なぜか言葉の語尾に変な言葉を絶対につけてしまう変な人がいて
とってもシュールだった。
例:
海外の映画のパロディ写真や動画を作成している人が
目からビームを出しているような映像を作っていてシュールだった。
シュールな笑いとは?
人は思い込んでいた概念と現実に不一致が起こることで
奇抜さや非現実的さを感じて笑います。
突然、意表を突かれてしまったり、
非現実的な状況を見ることで笑ってしまうのです。
落語家さんやモノマネタレントさんが行うような
なぞかけや有名人のネタは、自分が感じている概念と現実に
不一致がなくても共感などによって笑いが起こります。
ここでシュールな笑いを提供する芸人さんやタレントさんについて
まとめてみました。
ジャルジャル
漫才では2人がそれぞれ非日常的で
変わった設定でボケとツッコミをそれぞれやることで、
こんな会話は日常にはないけど、不思議と笑えるというネタがたくさんあります。
コントでは「ハンドイートマン」というネタがあり、
最初は普通に勉強をしていたのに、お互いが手を近くて見ると
手を食べたくなるという意味不明なネタです。
現実では考えられないけど、
そんな人間意味不明で非現実的すぎると笑ってしまいます。
このようなシュールなネタは
好みによりますのでネタの設定や展開によって、
笑う人と笑わない人の差が激しくなりがちです。
笑い飯
変わった設定での漫才をたくさんやってきていますが、
M1グランプリでは「鳥人」というネタをやって
高得点を出したことがありました。
首から下が人間
頭は鳥で服装はタキシードで性格は紳士の人が
子供の前に現れて変な会話をする。
これをボケとツッコミを
それぞれ切り替えてやりあうことで
見る人を笑わせます。
モノマネタレントのコロッケさん
通常はモノマネだと普通に歌声がそっくりだったり、
表情が似ていたりというモノマネをする人はたくさんいます。
コロッケさんの場合には歌い方の癖を強くしてみたり、
身体、表情の動きを全部ロボットにしてみたり。
突然パカっと開くかつらをつけて
歌いながらパカパカさせたりと笑わせるために
様々な工夫をしています。
さらには無音で森進一さんや美川憲一さんの
モノマネをしながらロボットダンスをするなど
シュールすぎるモノマネを数多く提供しているモノマネ王です。
意味不明、奇抜、不思議で本人なら絶対にやらないだろうけど、
やったとしたら面白いようなネタを作って支持されています。
シュールという言葉を使う時の注意点
「シュール」という言葉については、普通は考えることが
できないような奇抜な発想や思考から表現される事柄に対して使われます。
絵画、音楽、詩などの芸術から、
日常会話での話す内容までシュールだと感じる機会は多くあります。
ただし、相手に対して「シュールな人ですね」と言うと
喜ばない人もたくさんいます。
誉め言葉として言ったつもりなのに、不快な思いをさせてしまう事もあります。
面と向かって伝える場合には、親しくてなんでも言えるような
人にのみ冗談ぽく言うぐらいがちょうどいいでしょう。
まとめ
シュールという表現は日常で使えるシーンもたくさんありますので、
意味を知った上で使っていくといいですね。
身近な人に対して対面で言う場合には
気をつけて使うのがおすすめです。
シュールな人というのは良い意味で個性的な人と
捉える人もいれば、バカにされているのかなと思う人もいるからです。